死亡保険金は相続税の対象になるの?生命保険の受取人が知っておきたいポイント

保険の基礎知識

死亡保険金は高額になるケースが多く、正しい知識を持っていないと、いざという時対応に困る場合があります。今回は、保険金の受取時の税金と、保険の受取人が変更になったケースに注目しご紹介します。

生命保険の死亡保険金は相続財産か

死亡保険金が相続財産になるかどうかは、契約形態や受取人の設定によって異なります。

死亡保険金は受取人の財産

死亡保険金は原則、死亡保険金受取人(※1)の固有の財産となるため、相続財産ではありません。そのため死亡保険金は遺産分割協議の対象とはなりません。
しかし、被相続人(※2)が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の対象となります。

死亡保険金はみなし相続財産

「みなし相続財産」とは被相続人の死亡をきっかけに受け取る財産のことです。

死亡保険金は保険料を負担する人(=契約者※3)、保険の対象となる人(=被保険者※4)、保険金の受取人の関係によって適用される税の種類(相続税、贈与税、所得税など)が変わります。

このうち契約者、被保険者が被相続人、受取人が相続人である場合は、みなし相続財産として「相続税」の課税対象となります。

この死亡保険金の受取人が相続人である場合、一定の非課税限度額が設けられています。
具体的には、法定相続人(※5)一人あたり500万円までの保険金は非課税となります。このため、適切に保険契約を設定することで、相続税の負担を軽減することが可能です。

※1 死亡保険金受取人保険の対象者が亡くなった際に保険金を受取る人
※2 被相続人相続をされる人(亡くなった人)
※3 契約者契約書の名義人(契約をする人)
※4 被保険者保険の対象者(亡くなった人)
※5 法定相続人民法に定められた相続できる人(配偶者と血族)
血族は、子ども、親、祖父母、兄弟姉妹など

死亡保険金にかかる税金

生命保険の死亡保険金にかかる税金は、相続税、所得税、贈与税の3つに分類されます。

死亡保険金の相続税

契約者と被保険者が同じで、受取人が相続人である場合は、みなし相続財産として「相続税」の課税対象となります。※

これは、被保険者が亡くなった際に受取人が受け取る保険金が、実質的には相続財産の一部とみなされるためです。

死亡保険金の所得税

生命保険の死亡保険金が所得税の対象となるケースは、契約者と受取人が同じ場合です。この場合、受け取った保険金は「一時所得」として所得税の対象となります。一時所得には特別控除が50万円あり、その後、総所得の1/2が課税対象となります。

具体的には、保険金から払込保険料総額を差し引いた金額が一時所得となり、この一時所得から50万円を控除し、その半額が課税対象です。

死亡保険金の贈与税

契約者、被保険者、受取人がすべて異なる場合は、保険金は受取人への贈与とみなされ、贈与税が課されます。贈与税の課税基準は年間110万円の非課税枠があり、それを超える部分に対して贈与税が課されます。

以上のように、生命保険の死亡保険金にかかる税金は、契約形態や受取人の設定によって相続税、所得税、贈与税に分類され、それぞれの税法に基づいて課税されます。保険契約を設計する際には、これらの税金の違いを理解し、最適なプランを検討することが重要です。

保険の契約状況と課税の関係

被保険者
(亡くなった人)
契約者(保険の名義人)保険金の受取人
課税される税金
被保険者と契約者が同じ相続人相続税
被保険者契約者と受取人が同じ所得税
被保険者・契約者・受取人がすべて異なる贈与税
※出典:国税庁「No.1490 一時所得」参照:2024.06.16
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm

死亡保険金にかかる税金の計算方法

生命保険の死亡保険金に対する相続税の計算方法は、非課税限度額を考慮しつつ行います。

また相続税の計算は、法定相続の通りに相続した場合の相続税額を算出してから合算し、各人それぞれに振り分けます。

以下に具体的な手順を説明します。

1.法定相続人の確認

まず、被相続人(亡くなった方)の法定相続人を確認します。法定相続人とは、民法で定められた相続人であり、配偶者や子供が含まれます。

2.非課税限度枠とは

法定相続人が死亡保険金を受け取る場合、法定相続人一人あたり500万円が非課税限度額となります。例えば、夫が亡くなり、妻と子が法定相続人の場合、500万円 × 2人 = 1,000万円が非課税となります。この金額を超える金額は課税対象になります。※1

3.課税価格の計算方法

法定相続人、各人それぞれの課税価格を計算します。

課税価格=相続により取得した財産+相続時精算課税適用財産の贈与時の価額+みなし相続財産ー非課税財産ー債務および葬儀費用

4.基礎控除額

基礎控除額は、3,000万円 + (法定相続人の数×600万円)で計算され、死亡保険金の非課税限度枠とは別に控除されます。法定相続人が2人の場合は、4,200万円が課税金額から引かれます。※2

5.相続人ごとの課税対象額

控除を差し引いた後の、課税遺産の総額に相続税がかかります。正確な計算はその時の状況によっても異なるため、専門家の助言を仰ぐことをお勧めします。

※1出典:国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」参照:2024.06.16
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm

※2出典:相続税理士法人「死亡保険金の受取人には相続税がかかる?遺産分割時の取り扱いも解説」参照:2024.06.16
https://www.asahi.com/ads/sozoku_vs/column/tax/89

死亡保険金に控除はあるのか

生命保険の死亡保険金に対する控除には、主に以下の3つがあります。

非課税限度額

生命保険の死亡保険金には法定相続人一人あたり500万円の非課税限度額が設けられています。これは、法定相続人が受け取る保険金の一部が相続税の課税対象外となる制度です。例えば、法定相続人が3人いる場合、500万円 × 3人 = 1,500万円までの保険金が非課税となります。この非課税限度額を超える部分に対して相続税が課されます。

基礎控除

相続税の計算においては、全ての相続財産に対して基礎控除が適用されます。基礎控除の額は、「3,000万円 + 法定相続人の数 × 600万円」となります。例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は3,000万円 + 3人 × 600万円 = 4,800万円となります。この金額までの相続財産は相続税の課税対象外となります。死亡保険金もこの基礎控除の対象に含まれるため、実際に課税される金額はさらに減少します。

未成年者控除

法定相続人が未成年者である場合、未成年者控除が適用されます。具体的には、相続人が20歳になるまでの年数に対して10万円が控除されます。例えば、相続人が15歳の場合、20歳までの5年間に対して、10万円 × 5年 = 50万円が控除されます。

これらの控除により、生命保険の死亡保険金に対する相続税の負担は軽減されます。適用される控除を十分に理解し、適切に計算することが重要です。※

※出典:公益財団法人生命保険文化センター「死亡保険金に相続税がかかる場合の具体例は?」参照:2024.06.16

https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/833.html

一度契約した保険金の受取人は変更できるのか

生命保険の契約において、一度指定した保険金の受取人を変更することは可能です。受取人の変更は、契約者の意思によって行うことができ、多くの保険会社ではそのための手続きを提供しています。

変更手続きの一般的な流れは以下の通りです。

1.変更申請書の提出

保険会社に受取人変更の申請書を提出します。この申請書は保険会社の窓口やウェブサイトから入手できます。

2.必要書類の提出

申請書とともに、契約者本人の身分証明書や変更理由を記載した書類などが必要になることがあります。具体的な必要書類は保険会社によって異なりますので、事前に確認することが重要です。

3.保険会社の審査と承認

提出された申請書と書類が保険会社によって審査され、問題がなければ受取人の変更が承認されます。承認後、保険会社から変更内容が記載された通知書が契約者に送付されます。

受取人の変更は、契約者が自分の意思で自由に行えるため、家族構成の変化や相続対策などの理由で見直すことができます。

ただし、変更手続きには時間がかかる場合もあるため、早めに手続きを進めることをお勧めします。

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投稿者プロフィール

吉田 太志
吉田 太志保険のライフアシスト|執行役員・営業企画推進部長
球技は苦手ですが身体を動かすことは大好きで、中学・高校では器械体操部に所属。
30歳代までモーグルスキーの草レースに参加していました。

一昨年は10年ぶりにスキーを再開し、今年もコブ斜面を楽しんでいます。
更にSUPにも目覚め、春から秋は湖で癒やされています。

また毎朝のラジオ体操が日課となっています。
タイマーセットしたラジオで目覚め、朝6:30から身体を動しています。
頭もスッキリと目覚めますのでオススメです!

でも例えどれだけ健康に気をつけていたとしても、いつ誰の身に何が起こるかはわかりません。

事実私もケガを含めて10回もの入院を経験しました。
そのような経験も保険業界に身を置く一つのきっかけです。

保険はもちろん、暮らしとお金にまつわる様々なお悩み、どうぞお気軽にご相談下さい。

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